大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 平成5年(行コ)44号 判決 1994年4月22日

控訴人(原告) 城田正治

被控訴人(被告) 大阪市長 大阪府知事

主文

一  本件控訴をいずれも棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人大阪市長が控訴人に対して平成三年二月八日付けでした大阪市浪速区元町一丁目七五〇番一四宅地一五・三〇平方メートルの土地について大阪市浪速区難波中一丁目一番一一宅地一六・一五平方メートルの土地を換地として定める旨の換地処分を取り消す。

3  被控訴人大阪府知事が控訴人に対して平成四年一月二二日付けでした裁決を取り消す。

4  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。

二  被控訴人ら

主文と同旨。

第二事案の概要

本件事案の概要は、次のとおり付加、訂正するほかは、原判決の「事実及び理由」の「第二 事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用する。

一  原判決二枚目裏三行目の次に行を改めて「本件は、換地処分の通知を受けた控訴人が、被控訴人大阪市長に対し、換地処分は先行する仮換地指定及び変更処分の各違法性を換地処分が承継しており、また、換地処分自体にも違法性があると主張して、右換地処分の取消しを請求し、被控訴人大阪府知事に対し、同知事がなした右換地処分の取消しを求める審査請求を棄却した裁決の違法性を主張して、その取消しを請求した事件である。」を加える。

二  同四枚目裏六行目から同七行目にかけての「被告大阪市長は、仮換地指定と同様、」を「右形状と地積の変更の程度は、宅地の利用価値を減少させるものであって、土地権利者の権利関係の安定を損い、土地権利者の権利を害するから、被控訴人大阪市長は、右変更については仮換地の指定と同様に、」と改める。

第三当裁判所の判断

当裁判所も控訴人の請求はいずれも棄却すべきものと判断するが、その理由は、次のとおり付加、訂正、削除するほかは、原判決の「事実及び理由」の「第三 当裁判所の判断」に記載のとおりであるから、これを引用する。

一  原判決一〇枚目裏八行目の「することとされた」、同一一枚目表一一行目の「付記された」、同一二枚目表一行目の「とされた」の次に、それぞれ、「(当事者間に争いがない。)」を加える。

二  同一二枚目表三行目の「処分で」から同八行目の「相当である。」までを「処分であるところ、当初に仮換地として通知された土地の形状と地積は、その後に行われた画地確定測量の結果、現況と異なることが判明したが、本件仮換地の現地における位置と範囲は右画地確定測量ののちも従前のままで、同土地部分の使用収益には何らの変化もなく、そのうえ右通知の内容と現況の違いは、その同一性に疑問を生ずるような程度のはなはだしいものではないことが明らかであるから、本件仮換地指定処分は、指定の当初からその効力が失われるまでの間、全く変更がなかったものというべきであり、また、当初の通知と現況の相違を改めて通知しなかったからといって、直ちに違法であるとまではいい得ないと解するのが相当である。」と改める。

三  同一三枚目表八行目の「換地処分の効果が発生するまでの」を「換地処分の公告がなされた時点で目的を達してその指定の効果が当然に消滅する」と改める。

四  同末行の「できない。」の次に「ちなみに、仮換地の通知は、実測地積を通知書に記載することが望ましいが、図面上で計算された地積を記載することも許されると解されるから、その意味においても、控訴人の第二の二1(四)の主張は、採用できないものである。」を加える。

五  同一四枚目裏九行目「本件従前地」から同末行の「べきであるし、」までを削除する。

六  同一五枚目表末行の「仮に裁決が」の次に「その固有の瑕疵を理由に」を加える。

第四結論

よって、原判決は相当であって本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 宮地英雄 山崎末記 富田守勝)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例